【終末期のおじいちゃん】
奥様が面会に来た時に私達職員に葡萄の差し入れを持って来てくださいました。
「お気遣いなく」と伝えると
「主人が好きな物だったので、皆さんで食べていただけると嬉しいです」と
「では、葡萄の汁をスポンジにつけて唇に塗ってみましょう。匂いで楽しめると思います。」
口がもぐもぐ動いてスポンジをずっとくわえてる
奥様は「わぁ!すごい喜んでる」と私もよかったですね。
とお声かけ続けて「ベロも動いていて、飲み込みもしているようです。
ただ、嚥下機能が落ちているので後から痰になって上がって来たら吸引しますね」
とリスクをお話しする。
奥様は「もう、そういうのは大丈夫です。
この人が、喜べば命が短くなってもいいです。
その覚悟は出来てます」
ちょっとした会話から、意思の再確認をしていきます。
当然、気持ちは揺れるのでそこにも寄り添います。
明日は、梨を食べましょう。