終末期ご家族への関り

2021年6月6日

18:14

癌で治療中の高齢女性病院退院後、

ご自宅でご主人が看病されていました。

市外に住む娘様が時折訪れてサポートいました。

レスパイト目的で1度だけ私のデイサービスをご利用されました。

それから数か月後

その女性は肺炎を併発し病院に入院

医師の話では「肺炎が良くなれば、退院出来ます」とのことで

ご家族も安心していたそうです。

コロナ禍で面会も出来ずにいたある日

病院から電話が来て、検査説明をしたいと言われ行ったところ

癌の数値が悪く、余命宣告をされたそうです。

その娘さんは、在宅サービスの関りがケアマネージャーだけで

あった為もあり、そのショックをケアマネージャーさんに受け止めて

もらっていました。

ケアマネージャーさんからある日私に電話がありました。

「以前、1度だけお世話になった〇〇さん

余命宣告されて娘様が不安定になっているので、話を聞いてもらっていいですか?」

「いいですよ」と答えました。

すぐに、カルテを確認して

傾聴の準備を始めました。

その週の日曜日、娘さんとケアマネージャーさんが来てお話しを伺いました。

2時間ほどですが、ほとんど泣いてしまって

突然の余命宣告に動揺したと

もっと親孝行しておけばよかった

親は心残りがあるんじゃないか

父親は大丈夫か

1つ1つ

感情を言葉にしていただき、その思いがどんな思い出と紐付いて

いるのか

感情の先に笑顔になれる余白はあるのか

ゆっくり丁寧に会話をしていきます。

デイサービス事業所で休業日を使ってお話を聞く

つまり、仕事としての関りではなく

人として必要とされ求められたことのありがたさを感じて

大事にその時間を過ごしました。

帰り際、地元のお菓子屋さんの話になり

「田中さん。エキソンパイって食べたことありますか?

おいしいですよね」

「食べたことないです」

翌日、エキソンパイを私に買ってきてくださり笑顔でお話が出来ました。

「私のやるべきこと、考えがまとまりました。ありがとうございました」

良かった

2週間後

お母様がご逝去されたとケアマネージャーさんから報告がありました

話をする機会を作ってもらえて本当に良かったと言っていただけました。

デイサービスの管理者をいう、ちっちゃな枠でサービスを提供するのではなく、求められたときに常に向き合う姿勢を持ちたいと

改めて思いました。

いい関りをさせていただき感謝の気持ちです。

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